マントラ(真言)は、神仏の名前や聖なる音を繰り返し唱え、心と意識を祈りの波動へ整えていく言葉です。音そのものに宿る力を感じながら唱えることで、浄化・守護・開運・先祖供養など、さまざまな願いを神仏へ届ける助けになると伝えられてきました。
この記事では、前編で紹介しきれなかった阿弥陀如来・不動明王・七福神・薬師如来のマントラを取り上げます。意味や功徳だけでなく、どのような気持ちで唱えるとよいかも紹介しますので、今のあなたに響く祈りから始めてみてください。
基本のマントラや浄化・健康回復・悟りをテーマにした真言は、前編のマントラ記事もあわせてご覧ください。

マントラを唱えるときの基本
難しく考えすぎず、まずは静かな時間をつくることが大切です。次の流れを目安に、自分が心地よく続けられる方法を見つけましょう。
- 手を洗い、部屋を整えてから静かに座る
- 守護や浄化など、今祈りたいテーマを一つ決める
- 発音の完璧さよりも、神仏への敬意と心を込めることを大切にする
- 7回・21回・108回など、無理なく続けられる回数で唱える
- 唱え終えたら感謝を伝え、しばらく静かな余韻を味わう
マントラが心と意識に響く理由
マントラはスピリチュアルな祈りである一方、長い言葉を繰り返し暗唱する行為と脳の働きの関係にも関心が集まっています。
サンスクリット語とは、古代インドで使用されていた言語のことで、マントラはサンスクリット語のものがほとんどなわけですが、このサンスクリット語でマントラを暗唱すると、脳の灰白質が増加する、というのが研究の結果が明らかになっているそうです。
この研究を行ったのは、スペインのバスク認知脳言語センターで研究を行なっている、ジェームズ・ハーツェル博士が率いる研究チーム。
ハーツェル博士はかつて、サンスクリット語から英語の翻訳者として活動していました。その時、サンスクリット語から英語に翻訳する際に、脳の認知力が深くシフトすることを感じていました。他の翻訳者達も同様の感覚をもっていたことから、サンスクリット語と脳の関係性について研究しはじめたそうです。
ハーツェル博士は、サンスクリット語のマントラを幼年期から暗唱し続けている古典学者の男性を複数人集め、実験を行ないました。
インドの国立脳科学研究所で、上記古典学者と、古典学者と属性(性別、年齢など)が一致する参加者を集めたグループの脳の構造について、MRIによって比較しました。
その結果、サンスクリット語の古典学者達の脳は、一般人のグループと明らかに異なっていたということが判明しました。古典学者たちは、左右どちらも全体的に灰白質が10%大きく、大脳皮質も極めて厚くなっていたうえに、長期的および短期的な記憶をつかさどる海馬のうち右側の海馬も、一般人のグループと比較して、灰白質が大きく、海馬の75%を占めていたそうです。
この研究だけで「マントラを唱えれば脳が発達する」と断定はできませんが、長く唱え続ける行為が意識や記憶に深く働きかける可能性を感じさせます。スピリチュアルな実感とともに、声・呼吸・集中が整っていく感覚も大切にしてみてください。

浄化・開運・先祖供養に唱えたいマントラ4選
①阿弥陀如来|心の安らぎと救い
阿弥陀如来様に対する、筆者の個人的な印象は、「優しさと慈悲の塊のようなご神仏」です。
阿弥陀如来様は、この世界で苦しむ人たちを救い、今、この瞬間にでも極楽浄土に導こうとしている神様です。
阿弥陀如来様のマントラを唱えると、死後ではなく、この世界にいながらにして、今、極楽浄土に行ける、と言われています。
つまり、地上にてアセンションする、ということを意味するのかもしれません。
阿弥陀如来様のマントラを唱えることによって、心の安寧という功徳が得られるのです。
如来とは悟りをひらいた覚者、すなわち仏陀を意味しますが、如来、すなわち仏は私たちを救うために、さまざまに姿を変えて、私たちの前に現れ、教えを説くのです。
「阿弥陀経」に基づきますと、全宇宙にはガンジス川の砂粒の数ほど、膨大な数の仏が存在するとされています。
そのような膨大な数の仏の中でも、阿弥陀如来様は『大阿弥陀経』というお経によれば、「諸仏の王であり、そのお力は極めて尊く、仏様の中でも最強であり、限りがない」と教えられています。
密教の修法では、三密加持と呼ばれるものを習得する必要があり、僧侶は完璧に三密加持ができることを目指して修行します。
一般庶民にはこのような修行は到底出来ないので、庶民が救われることは無理だとされてきました。
しかし、阿弥陀如来様は、このような修行ができない庶民も救済できる最高の如来であると『般舟経(はんじゅきょう)』や『楞伽経(りょうがきょう)』に記されているのです。
つまり、阿弥陀如来様は万人を救うご神仏なのです。
苦労や不安から解き放たれ、平和で穏やかな心になりたい時、精神的な救済を求めている時、病気や災厄から身を守り、癒しを求める時、心身に浄化をもたらす阿弥陀如来真言を唱えてみましょう。
阿弥陀如来の真言は
「おん あみりた ていせい からうん」です。
これは、阿弥陀如来の名前をサンスクリット語でそのまま発音した音に近い読み方です。
如来の名前は、名前そのものにパワーが宿っているとされています。
なぜなら、如来の名前は、その如来がどんな方法で人間を救ってくださるかを表現しているから。
阿弥陀如来様の場合は、「すべての命を限りない光で照らし、限りない命で救い続ける」という意味です。
また、名前はその存在そのものの性質を表しています。「おん あみりた ていせい からうん」という音の持つ波動が、エネルギーとして宇宙に作用します。
このように、真言を口に出して唱えることは、阿弥陀如来様の持つ働きとそのエネルギーを宇宙に放ち、大きな影響力を与えることなのです。
唱える際は、正座でも、結跏趺坐等の座り方でもいいので、背筋を真っすぐ伸ばし、「丹田」を意識します。
深く腹式呼吸をしたら、お腹から発声してみましょう。
最初は、YouTubeなどで阿弥陀如来真言を唱えている動画を参考にしてみて、慣れたら自分で唱えてもいいでしょう。
唱える回数に決まりはありませんが、唱える時に、阿弥陀如来様の姿をイメージし、心を込めて唱えるのがポイントです。
阿弥陀如来真言を毎日唱えれば、心が浄化されていくことでしょう。
苦しい時や、辛い時など、緊急の場合は、心の中で唱えてもいいでしょう。
心から阿弥陀如来の助けを願う時には、いつでもどこでも唱えましょう。
一番大切なのは、阿弥陀如来様がお救いくださると信じる心です。


②不動明王|災厄除去と強い守護
不動明王の「明王」は、仏様の中での地位および役割を示すものです。
あなたが、もし誰かを指導する立場にあると仮定して、相手を優しく指導したいと思っていても、相手はあなたの言うことを聞かないかもしれません。そんなときには、相手のために叱ったり、怒ったりして諭そうとするでしょう。
仏教の教えの中で、口で言ってもわからない人のために、叱ることで、相手が道を外れないように注意する役割の仏様が、不動明王などの「明王」という仏様です。
明王と名のつく仏様は、ほとんどの場合、武器を携え、憤怒の形相をしています。
不動明王は、特に強面ですよね。
不動明王は、「お不動さん」の愛称で敬愛され、不動明王を祀った寺院は日本各地にあります。
有名なのは、東京の目黒不動尊と目白不動尊ですが、もともとは江戸を守護する目的で建立されたようです。
江戸時代からの不動明王に対する篤い信仰は、不動明王の功徳が絶大な証しでしょう。
不動明王のマントラによって期待できるご利益は、立身出世、国家安泰、除災招福、商売繁盛、怨敵調伏、勝負必勝など、現世利益に関する多くの分野にわたっています。
以下が、不動明王のマントラです。
「ノウマク サンマンダ バザラダン センダ マカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン」
不動明王真言はサンスクリット語が、発音の元になっており、その意味は以下の通りです。
憤怒の形相をされている不動明王様
私の迷いを打ち砕いてください
目の前の障害を取り除いてください
私の胸にある願いを叶えてください
***
真言は意味が解らなくても、唱えることにより恩恵が得られますが、真言の意味を心に抱いて唱えることによって、さらに功徳を体感できるでしょう。
現在、逆境にあって困難を克服したい、災厄を取り除きたい、そんな方は不動明王真言を唱えてみるといいかもしれません。
③七福神|福徳と開運
私たち日本人にとって馴染みが深く、さまざまな恩恵をもたらしてくれるとして親しまれている七福神。
この項目では、各神様との繋がりを強めてご利益を授かるためのマントラをご紹介します。
恵比寿様
七福神の中で、唯―日本の神で、伊弊諾尊(いざなぎのみこと)と伊弊舟尊(いざなみのみこと)の間に生まれた蛭子尊(ひるこのみこと)と言われています。烏帽子をかぶり、鯛を抱えた姿で描かれていますね。
古くは漁民の守護神でしたが、後に商業の神様となりました。
恵寿様のマントラは、以下の通りです。
「オン インダラヤ ソワカ」
恵比寿様のマントラによるご利益は、平和安泰、商売繁盛、除災招福、恋愛成就などです。
人々の心身を癒す、優しさを提供する仕事で、より豊かな財運を得る事が出来るでしょう。
弁財天
七福神の中で、唯―の女神です。サラスバーティと呼ばれるインド古代神話の水の神です。琵琶を奏でる絶世の美女として描かれています。音楽、弁舌を司るとされ、雄弁と智恵を授け、芸能、文芸、音楽の分野で成功、名誉を与えるとされます。金運や財運をもたらすともされています。
弁財天のマントラは、以下の通りです。
「オン ソラソバティ ソワカ」
弁財天のマントラによるご利益は、才能向上、芸能関係の繁栄、話術の向上、財運アップなどです。
芸術、芸能、文芸など、コミュニケーションを使った仕事をすれば、より豊かな財運に恵まれるでしょう。
大黒天
もともとは、「マハーカーラ」と呼ばれるヒンドゥー教の神で、創造と破壊を司るシヴァ神の化身のことです。仏法守護の神として伝来しましたが、後に日本神話の大国主命(おおくにぬしのみこと)と結びつき、福の神として信仰されるようになりました。
頭巾をかぶり、大きな袋をかかえ、打ち出の小槌を持ち、米俵と一緒に描かれます。
大黒天のマントラは、以下の通りです。
「オン マカ キャラヤ ソワカ」
大黒天のマントラのご利益は、五穀豊穣、出世開運、商売運、子孫繁栄、人生に楽しさや歓びをもたらす、人脈拡大などです。
人との交流を通じ、楽しみながら仕事をすれば、財運を高めることができるでしょう。
毘沙門天
四天王の一柱で、財宝を象徴する北方の守護神です。ルーツはヒンドゥー教の神で、正義と戦闘の神様であり、勝負事に功徳があるとされています。
毘沙門天のマントラは、以下の通りです。
「オン ベイシラ マンダヤ ソワカ」
毘沙門天のマントラのご利益は、厄除け、財運、大願成就を助ける勇気と実行力、勝負必勝などです。
積極的にアクションをとっていくことで、財運を高めることができるでしょう。
布袋様
七福神のなかで、唯―の実在の人物をモデルとした神様です。中国の戦国時代の禅僧で名を契此(かいし)といい、諸国を放浪して託宣を行い、その優れた予知能力から、弥勒菩薩の化身と言われています。いつも笑顔で場を和ませる能力を持っていました。
布袋様のマントラは、以下の通りです。
「オン マイタレイヤ ソワカ」
布袋様のマントラのご利益は、円満な人格形成、金運招福、思考能力のアップ、好感度アップなどです。
知識や情報など、頭脳系の仕事で、より豊かな財運を得るサポートになるでしょう。
福禄寿
寿老人同様、南極星の化身とされています。長い頭と長い白髭が特徴で、杖をつき、長寿のシンボルである鶴や亀を従えた姿でも描かれます。道教の三徳、福(子孫繁栄)、禄(財産)、寿(健康長寿)をすべて備えているとされています。
福禄寿のマントラは、以下の通りです。
「オン マカシリ ソワカ」
福禄寿のマントラの恩恵は、子孫繁栄、富貴繁栄、福徳、人徳、健康長寿などです。
直観やインスピレーションを含めた、予測や推測を用いる仕事で、より豊かな財運を得られるでしょう。
寿老人
中国の道教の神で、福禄寿同様に、南極星の化身と言われています。白髪に頭巾、長い髭をたくわえた仙人の姿で、経典をつけた杖と桃を持って描かれます。
鹿が描かれることもありますが、桃も鹿も長寿のシンボルとされ、健康、長寿を授けてくれるとされています。
寿老人のマントラは、以下の通りです。
「オン バザラ ユセイ ソワカ」
寿老人のマントラによるご利益は、幸福招来、健康増進、長寿延命、諸病平癒、富貴繁栄、子孫繁栄などです。
社会貢献や自分の使命を果たすなど、夢を実現する事で、より豊かな財運を得られるでしょう。
④薬師如来|癒しと健やかさ
薬師如来様も、阿弥陀如来様と同じく、深く大きな愛で私たちを包み込んでくださるようなご神仏です。
薬師如来様は、大天使でいうところのラファエルと位置付けられており、人々の癒しを専門とされています。
薬師如来様のマントラは、以下の通りです。
「オン コロコロ センダリマトウギソワカ」
真言のおおよその意味は、「帰依し奉る、病魔を除きたまえ払いたまえ、センダリやマトーギの福の神を動かしたまえ、薬師仏よ」となります。
薬師如来様のマントラのご利益は、癒しにとどまらず、必要なものを入手し、豊かになるようにする、病を取り除き、心身ともに苦しみから救う、災難や苦痛から解放する、飢えに苦しむことがないようにする、衣服や心慰めるものを与えて満足させるなど、多岐に渡っています。
唱える回数は、諸説ありますが、3、7、21、108回のいずれかが、良いとされています。

マントラ(真言)に関するよくある質問
マントラは何回唱えるとよいですか?
7回・21回・108回などがよく知られていますが、回数だけに縛られる必要はありません。毎日心を込めて続けられる回数を選びましょう。
発音を間違えると逆効果になりますか?
神仏への敬意を持ち、できる範囲で丁寧に唱えることが大切です。音源や寺院の案内で確認しながら、恐れず少しずつ親しんでください。
複数のマントラを同じ日に唱えてもよいですか?
唱えることはできますが、最初は今の願いに合う一つを選ぶと祈りを集中させやすくなります。慣れてから目的に合わせて組み合わせましょう。
夜に唱えてもよいですか?
夜でも問題ありません。就寝前は声を少し落とし、呼吸を整えながら唱えると、穏やかな祈りの時間をつくりやすくなります。
まとめ
いかがでしょうか。
さまざまなご神仏の恩恵を採り入れることで、
より健やかで幸運な人生を創造していきたいですね!


この記事を書いた人

Athena
スピリチュアルを専門とする翻訳家・執筆家。
若い時からスピリチュアルに目覚め、得意の英語力を活かして、スピリチュアル系の翻訳を手掛け、訳書8作品がベストセラーあるいはロングセラーになります。
英語のスペシャリストでもあり、英検1級・TOEIC965点を獲得。 他にも英語学習コンテンツクリエイター・通訳・カウンセラー・ナレーター・声楽家としてマルチに活動。 海外在住。
アイトゥリーのライターを含め、スピリチュアル系を中心としたライター・翻訳・通訳・ナレーターをこなすと共に、スピリチュアル系Youtubeチャンネルのメインライター/ダイレクターを務め、同チャンネルは登録者数6万人を超える人気チャンネルへと成長させました。
『アセンションマニュアル・コンプリート版』の作成者でもあります。

